販路拡大リスク回避DX

本当に大丈夫!?既存取引先に依存する罠

突然ですが現在、貴社の取引先はいくつありますか?また売上で見た際、特定の企業との取引に偏りはありませんか?

「この取引先がなくても、我が社は大丈夫なのだろうか?」
「もしもこの取引がなくなったら…」

多くの中小企業が「新規取引先の開拓の難しさ」と「財務の不安」を抱えています。
企業が長期にわたって安定した成長を遂げるためには、新たな販路を積極的に開拓していくことが必要不可欠です。既存の取引先に過度に依存することは、予期せぬリスクを招いてしまう危険性も秘めています。

本記事では、販路拡大の重要性と既存取引に依存するリスクに焦点を当てていきます。

データから読み解く!“販路拡大の重要性”

まずは、販路拡大の重要性をデータから読み解いてみましょう。

売上高を増やしていくためには販売先数の拡大が重要

売上高を伸ばしたい!多くの企業の目標であり課題のひとつですよね。
売上高を増やすためには販売先数の増加が鍵を握っています。

販売先数と取引依存度の変化別に見た売上高の増加率(平均値)

出典:「2020年版 中小企業白書」(中小企業庁)(https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2020/PDF/2020_pdf_mokujityuu.htm)を加工して作成

中小企業庁のデータに基づき、企業の販売先数の増減と取引依存度の増減、それぞれの売上高の増減率との関連性を示した図です。下に向かうほど取引依存度は高く、右に向かうほど販売先数が増えています。

では、「販売先数の増減」と「取引依存度の増減」それぞれが売上高の増減率に与える影響度を比較するために、売上高増減率の差異を見てみましょう。

  • 取引依存度の変化による売上高増減率の差異は8~26ポイント
  • 販売先数の変化による売上高増減率の差異は46~64ポイント

取引依存度の変化に比べて販売先数の変化が、売上高の増減率に与える影響が強いことが分かります。このことから、売上高を増やしていくためには販路を拡大し、販売先数を増やしていくことが重要だと言えます。

取引継続年数が10年を超えると売上高の増加率が下がる!

また、「既存の取引先から安定した取引を継続できているけど、もっと売上高を伸ばしたい。」という課題もあるのではないでしょうか。
実は、10年以上継続している取引先の売上高を上げることは難しい事が分かっています。

取引継続年数別に見た売上高の増加率(平均値)

出典:「2020年版 中小企業白書」(中小企業庁)(https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2020/PDF/2020_pdf_mokujityuu.htm)を加工して作成

取引継続年数別に直近10年間の売上高の増加率(平均値)を見てみましょう。
取引継続年数が10年を超えている企業の売上高の増加率は、取引継続年数が10年未満の企業の増加率と比べて大きく下回っていることが分かります。
この結果を踏まえても、既存の取引関係を維持するだけではなく、主要な販売先の見直しを行っていくことも非常に重要であると考えられるのではないでしょうか。

既存取引先に依存するリスクとは?

販路拡大が売上高の増加には重要だということはおわかりいただけたかと思います。次に、特定の取引先に売上の大部分を依存し続けた場合に起こりうるリスクについて解説いたします。

貴社の一番の“お得意様”の年間売り上げは全体の売上の何%を占めていますか?
もし大部分を、特定の取引先の売り上げが占めている場合、危険かもしれません!企業の売上が特定の取引先に依存する状況は、経営上の大きなリスクをもたらします。最悪の場合、倒産の引き金になってしまうなんてことも。
特定の取引先に対して売上依存度が高いと具体的にどのようなリスクがあるのでしょうか?想定し得るリスクを5つご紹介します。

  1. 価格交渉での不利な立場
    特定の取引先に対する売り上げ依存度が高いと“取引先の言いなりにならざるを得ない”リスクがあります。
    例えば、取引条件に大幅な値下げを要求された場合。通常では考えられないような要求も、その取引を失うことで売上の大半を損なう恐れがあり、やむを得ず受け入れることが考えられます。これにより、最終的には売上高の低下を招くことになります。
  2. “お得意様”の経営破綻時に大きな打撃が!
    取引先の経営状況の悪化により支払いが滞るような場合に、大きな影響を受けることになります。
    「売上依存度が高い=売掛金の額も大きい」ということです。最悪の場合、その大部分が回収不能になってしまい、倒産へと導くリスクがあります。この現象は連鎖倒産と呼ばれ、連鎖倒産する企業の多くは一部の顧客に依存度が高い企業です。
  3. 新規顧客の獲得が難しくなる
    特定の取引先への売上依存度が高い状態が続くと、企業は新規顧客開拓の習慣がなくなり新規開拓のスキルを失っていきます。
    売上の大部分を占める取引先への営業活動に集中することで、その企業からの売り上げは一時的には上がっていくでしょう。しかし、前項でもお話ししたとおり、取引先の売上高を上げ続けることが出来るのは長くても10年程度。結果、企業の成長の機会がなくなり経営が停滞することにつながります。
    また、主要取引先からの注文が減少したり、取引が停止した場合、新たな顧客を開拓するスキルが低下しているために迅速な新規開拓を行えず、経営の回復に時間を要することになります。
  4. 景気変動や市場シフトによる影響
    特定の販路に依存することは、市場の変動に強く左右され、事業の安定性を損なう恐れがあります。
    特定の業界や地域に依存する為、景気変動や新たな技術の導入による市場の変化に影響を受けやすくなり、その市場が不調になると企業の売上減少に繋がります。
  5. 競合他社との競争が避けられない
    単一の販路では、同じ市場で競合他社との直接の競争が避けられません。
    価格競争の激化や商品差別化の難しさが利益率を低下させる原因になり得ます。企業は競争に対抗するために低価格戦略を選ぶケースが多く、収益減少につながります。また、競合他社の動向に自社の計画が左右され、不確定な外部要因によるリスクが高まります。これにより、企業は競合に勝つために新しい戦略を絶えず模索する必要に迫られ、これが経営に大きな負荷となるでしょう。

以上のように、特定の取引先に依存する事は企業にとって大きなリスクとなります。

中でも特に注意が必要なのは、「企業の売上に占める割合が非常に高い取引先であるが、その取引先から見るとそうではない」ケースです。こちらから見れば企業存続には欠かせない“お得意様”ですが、取引先から見れば多くの仕入れ先の1つでしかない為、容易に取引を終了される危険性がある為、このような不均衡な取引関係は特に注意が必要です。
大きなリスクを回避するために、売上の大部分を特定の取引先に依存することは避け、新たな販路の拡大に努めるべきでしょう。

新規販路の開拓が事業継続の鍵を握っている

事業継続の鍵は、新規販路の開拓にあります。
新たな販路の開拓は、販売先数の増加だけに留まらず、リスク分散・競争力向上・顧客多様性への対応など、様々な面で貴社の更なる事業成長を支えます。

市場の変動や競争の激化に対して柔軟に対応できるようになり、一つの市場や販路が不調でも他の市場や販路でリスクを分散し、安定した収益を確保することが可能になります。
また、販路の多様化によって異なる顧客層にアプローチする機会が増え、新たな市場ニーズに対応した商品やサービスを開発するきっかけにもなります。結果的に商品の差別化につながり、価格競争の圧力を緩和する効果も期待できるでしょう。

いかがでしたか?
新規販路の開拓は、すぐに結果が出る保証もなく、既存取引先への営業に比べ手間とコストが多く掛かるため決して簡単なことではありません。
しかし、販路拡大は「やった方が良い」ことではなく、「やらなければならない」ことがお分かりいただけたのではないでしょうか?

最後までお読みいただきありがとうございました。最後に、
「販路拡大の重要性は理解したものの、何から手を付ければ良いか分からない」
という方に向けて、お役立ち資料をご用意しました。
よろしければ是非資料ダウンロードしてみてください。
新たな販路を積極的に模索し、事業の未来を拓いていきましょう。